写真 © Makoto Yoshida
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Proto Passo

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場所
東京, 日本
2016

〜街を引込む〜
敷地は間口約6m奥行き約20m、都市圏ではあたり前になっている高密度な集合住宅が求められた。
近隣の同じような敷地に建つ集合住宅は、建ぺい率や容積率、北側斜線といった法的条件から同じような形態が建ち並ぶ。それらに共通して言えることは、法的条件で形を導き、少しだけ新しい建材をまといあたかも時代の流行だと街並に現れるが、その本質はここ数十年なんら変わっていない。そして建築が街とまったく関係を持たずに計画されている。結果、表層建築が街をつくる。
われわれは、敷地の間口6mのおよそ半分を使い、通りを建築の奥まで立体的に引込むことで、建築に公共性を持ち込むことと表層的な街並に路地空間にも似た魅力と楽しさを与えること、そして個々の住戸(住人)が街と繋がることを考えた。
建築に路地的な空間の楽しさを持たせるには、まずちょっとした閉鎖感と奥行きを持ち合わせていなければならないが、同時に街に開き公共性を得るには路地の狭さでは叶えられない。そこで3階の住戸を隣地側にキャンチレバーで跳ね出すことで路地のような囲われた空間を確保しつつ、隣地側は隣に建つ集合住宅の壁に沿っていく幅の広いアプローチをとることによって、街に開かれた公共性を手に入れた。
歩道から続くゆるやかな大階段は隣地の集合住宅の壁面づたいに敷地奥の2階レベルに導く。大階段の先は、縦に大きく吹き抜け、空に向かって通りが延びる。その中をやはりゆるやかな階段が抜けていく。そして、その立体的に構成された通りに住戸が並ぶことになる。住戸が街と繋がることで、住人は集合住宅に住みながらも自分だけの戸建てに住んでいるような独立感を得る。
建築自体が公共性を持つことで、彫りの深い街並と新しいコミュニティーが形成されればと願う。

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