Photo © Makoto Matsubara
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うつろう家

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Lieu
愛知, Japon
Année
2013


四季のうつろいや、日々の生活のうつろい、まちの風景のうつろいに、順応し、長く愛され続ける建築となることを目指した住宅。


 


クライアントはご夫婦と双子の男の子。交通量の多い道路、老舗の呉服屋、住宅、集合住宅に


敷地の四周を囲われていたことから、プライバシーの確保を強く求められた。もともとこの敷地には平屋の倉庫が建っていて、こうした土地利用の更新が周囲でも起こっており、今後も周囲の風景は更新を続け、長い時間をかけてうつろいゆくであろう。


そんなまちに、見る人の立ち位置によって、その姿を変える住宅を計画した。


 


この住宅はほとんどの場がワンルームとして繋がっている。そこに、天井の仕上・床のレベル差・仕上げを少しずつ変化させることで、ワンルームの空間に小さな差異を設えた。そうすることで、それぞれの場において、独立した部分としての感覚や、連続的な全体としての感覚が共存するように生まれている。そうした部分と全体の感覚を行き来する状態がこの住宅にはあり、その様相は常にうつろいゆく。


 


外部においても、T字路に面した北西角地であることから、朝から夕方までの陽の光の動きによって、その表情を変えるよう、艶があり、光の当たり方によってその色味を変える仕上げが施されたガルバリウムを用いている。また、その艶は周囲の環境を映し出し、周囲に溶け込む効果も担っている。


 


状態が一定でなく、その様相がうつろうこの住宅は、今後起こる様々な変化に順応し、クライアントの生活を自由で豊かなものにしていくだろう。

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