house in Sakaimachi

Ibaraki, Japan
Foto © Hiroyuki Hirai
Foto © Hiroyuki Hirai
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Foto © Hiroyuki Hirai
Foto © Hiroyuki Hirai
Foto © Hiroyuki Hirai
Foto © Hiroyuki Hirai
Foto © Hiroyuki Hirai
Architekten
AIR Architects Studio
Jahr
2017

ワンルームでミニマルな暮らしをされていたご家族の増築計画です。

既存の母屋をプライベート空間とし、
増築部に新たなキッチンとお子さんの学習コーナーとロフトを設け、増築部の中央にリビングダイニングを設けてパブリックな場としています。
この増築は、闘病中であったクライアントからの
妻と娘へのプレゼントとして計画されたため、
屋根を奥さんのためのキッチンと娘さんのための学習コーナーの2つのコアに載せるのではなく、
大きな屋根は2つのコアと中央のリビングダイニングを包み込むように浮いているべきだと考え、下部構造の壁と屋根は4周ともスリットで縁を切り屋根を自律させています。



クライアントは無垢の木がとても好きな方でしたので、
約300本の120mm角の杉材を並べて壁を構成し、約240本の105mm角の杉材を並べて天井を兼ねた屋根を構成しています。



小さな住宅は約100本程度の木材で作ることができるので、
この計画では住宅約5棟分の日本の杉の無垢材を使っていますが、
工数や工種を可能な限り統合しながら、通常の木造在来工法と大きく変わらない金額で成立させています。



私たちは計画段階で木の断熱性能や調湿性能をある程度想定し、壁には断熱材を設置していませんが、外気温が38度の工事中も増築の現場はとても涼しく、大きな庇は夏場の太陽光がガラス面に当たることを防ぎ、冬場は暖かい光を建物の奥へと浸透させ、木の性能とともに、快適な温熱環境を生み出しています。
 
考えてみると、
森の奥深くは、高気密でも高断熱でもありませんが、
夏には、気化熱などの効果もあり人間にとって心地良く快適です。
この増築計画はそのような小さな森を置換したかのように成立していますが、
多くの無垢の木々を使った意味は耐震性能や耐風圧性能とともに、
温熱環境的にもとても効果的であったと思います。

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